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人生の先輩方に学びたくなるとき

violette_2023

9月には敬老の日があるので、毎年、ご老人に関する記事などを目にする機会が多くなる。
ちょうど自分も誕生日という節目を迎える月なので、つい自分のこれからについて考えたりすることになる。そういった記事や本で知る素敵なおばあちゃんたちは素晴らしい。憧れる。

体のことや経済的なことは人それぞれなので、比べても仕方ない。
ただ、心の持ちようは、真似できることもあるかなと思うので勉強させていただくことが多い。こういう考え方っていいな、と思う方に出会えると、もっと知りたくなる。

なので、この方は好きだなぁという人生の先輩方がいっぱいおられる。
もちろん、全く同じになれるはずはないので、エッセンスをいただく気持ちで。

そして、自分が落ち込んだとき、全然ダメだと思ったときに、そういう方々の本を読むことが多い。もう甘えられる両親もいないし、身内や友人にも話せないような落ち込みのときは、なんとか浮き上がろうといろいろ調べて空回りをしていたりする。

先日のそういった夜に、衝動買いした本がこちら。
・佐藤愛子著「九十歳。何がめでたい。」
・佐藤愛子著「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」

「九十歳。何がめでたい。」は、ベストセラーになっているのでご存じの方が多いと思う。評判は知っていたけれど、初めて読んでみた。もう10年前ぐらいのものになるのかな。
「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」のほうは、その続編の位置付け。
佐藤愛子先生の著作は読んだことがないので、どんな作品を書かれるのか全然知らないのだけれど、豪快な方というイメージは持っていた。なぜか。そしてどちらも、ほんとうに痛快なエッセイだった。読みはじめたときはドヨーンとしていたのに、いつのまにか笑っていた。確実に元気をいただきつつ、一気に読んだ。

これまでのご苦労やお仕事の大変さに驚き、そんな中でのご自身のエピソードもとても楽しませていただいた。
私は特に、今の時代に関しての、これおかしいんじゃないの?というようなご意見が、ずっと年下ながらも共感することが多かった。
物事の本質みたいなものは、ある程度厳しい環境じゃないとみんな考えなくなるのかな?とか。考えなくてもそれなりに暮らしていけるなら、難しいことやつらいことはやらないし考えなくなるなと。
今の時代がわるいということではないけれど。真剣に考えることもやっぱり必要なのではないか、そのために試練っていうのは起こるのかもしれないなと思ったりした。

それと、思うことを口に出せる人は、やっぱりストレスがたまらないし、それが精神の健康には良いんだろうということ。言えなければ、書くことでもいいから。出していくことが大切なのかなって。

言えないこと、たくさんありますけどね。みんなそうですよね。
私はいっぱいたまってくると、とにかく心の中のことをわーっと書いて、読み返しもせずに捨てることもある。それだけでも、少しはすっきりしますよ、不思議と。

今までで一番、私の印象に残っているおばあちゃんが一人おられる。もう20年ほど前になるが、仕事の関係でお話を伺った方。
私はそのおばあちゃんの考え方がとても好きで、こういう人になりたいと強く思った。

その方は島に住んでおられて、農業をされているご主人とお子さんたち、お孫さんたちと暮らしておられる。結婚後に島から出たことは、これまでに2回ぐらいしかない(はっきり憶えていないけど確かこのくらい)。
ご主人との結婚は、知らない同士のお見合い結婚で、ほぼ初対面での結婚だった。
今は草取りぐらいしかできることがないので、毎日畑に出て草取りをしている。それが今の自分の仕事みたいなもんや、と。

詳しくその方の言葉を思い出せないのが残念だけど、その方の口から出る言葉はほとんどが、まわりの方への感謝だった。ご主人のことが大好きなのがとても伝わってきて、なんて可愛いおばあちゃんなんだろうと感激した。

奇跡的に、とても気の合う方と結婚したという面もあるだろうけど。単に運が良かったというだけではない、そこに至るまでのお二人の歴史を強く感じた。悩みも悲しみもないという人は存在しないと思うので、そこを乗り越えてきておられるのだろうけど、相手への感謝と褒める言葉がたくさんあふれているお話だった。そして、毎日こつこつやることから、なんでも始まっていく、というような概念のこともおっしゃっていた気がする。

お話を伺いながら、正直なところ、現代の大多数の方々の生活とのカルチャーショックは少し感じたけれど、ご自分のいるその場所でご主人と営んでこられた暮らしが、とても尊いものに感じられた。

そのお話を伺ったころ、私はまだ若くて子育て真っ最中で、主人に対する不満がいっぱいで。なんという違いだろうと思った。もちろん、もっと時間が経てばこんなふうに変われるのかもという気もしたけれど、でもあまりにもその方が可愛らしく、謙虚で、とても幸せそうに思った。
そして、幸せっていうのは自分で決めるものなのかもしれないな、と感じた。この方は、そこをちゃんとわかっている方なんだろうと。

幸せっていうのは本当に十人十色。何を望むかによっても全然違う。
変えられないことにこだわるのではなく、そこでできることをやり、そこにある幸せを大切にするということ。そういう考えをお持ちだったように思う。精神的に強いというのは、本当はこういう方のことなんだろうなと今も思う。

もうすぐ誕生日なので、また一つ年を重ねるのだけど。
まだそういう境地には全然至っていないけど。
主人に対するイライラは、理解とあきらめで中和をする感じで、とらわれない方向になってきたとは思う。

まだまだ修行ですが、楽しみもやりながら。これからもがんばります。

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編みものや縫いものを暮らしにいかしていくのが好きです。糸でつくるかわいい暮らしをめざしています。楽しく編めるにはどうしたらいいかな?といつも考えています。たまに編み方動画を撮っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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